任意売却後の残債に不安を感じたら

任意売却の残債に不安

任意売却で住宅ローン問題を乗り越える際、債務(借金)の一部が残債として残るケースは少なくありません。

(住宅ローンが払えないから任意売却をしたのに、残債の返済なんてできない…)
(家がなくなり賃貸住宅の家賃を払わなければいけないのに、残債まで手が回らない…)

残債に対して、多くの方が上記のような不安を感じていらっしゃいます。
住宅ローン問題の渦中でご本人が先を見えていない状態なのだとしたら、不安に感じるのも無理のないことなのかもしれません。

しかし、やみくもに不安を感じる必要はありません。
適切な専門家に相談し、 順序立てて1つひとつの状況に対応していくことで、必ず道は見えてきます。

このページでは残債の概要をご紹介します。
残債対応の詳しい内容については、個別でご説明させていただきます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

任意売却と残債

任意売却と残債整理には専門家とのタッグを

任意売却をしても、債務(借金)が0になるわけではありません。
任意売却の多くのケースで、売却をした後も残債として債務(借金)が残ります。
残債については多くの方が不安に感じていらっしゃり、
「残債を考える余裕なんてないのですが、残債はどうしても返さなくてはいけないのですか?」
というご相談を受ける事は少なくありませんが、やみくもに心配する必要はないとお話しさせていただいています。
もちろん、残債は支払わなくてはいけません。
しかし、そもそも住宅ローンの返済ができず任意売却という手段を取ったという事情がある以上、債権者側も債務者にとって返済が容易ではない事は十分に承知しているため、真摯に粘り強く対応する事で交渉の余地は生まれます。

大切なのは、1人で抱え込まないことです。
残債を含め、任意売却には踏むべき手順と対応策があります。信頼できる専門家を見つけて相談しながら進めてください。

任意売却後の残債は、現実的に無理のない範囲で返済していくことも可能です

任意売却の残債は現実的な金額で返済

任意売却した後、残債は月々の返済額を交渉することができます。

任意売却の時点で残債を含め住宅ローンを全額一括で返済しなければいけない状態ではありますが、任意売却することを承諾した債権者は残債を一括で返済できなくても抵当権を抹消します。
残債の返済額は、任意売却の処理過程で提出する「生活状況表」をもとに交渉され、生活をするのに無理のない程度の金額に決定されることが多いです。

残債の返済額に限らず、任意売却では交渉の進め方が重要です。
名古屋住宅ローン相談室では、ご相談者様の希望額や希望条件が了承されるよう、任意売却の経験を踏んだスタッフが誠実に粘り強く対応します。

任意売却後の残債について

インターネット上では、 「任意売却後の残債は払わなくていい」 という表記もありますが、もちろん問題があります。
任意売却後の残債を支払わなくて済むケースもありますが、それは相応の事情がある場合であり、また、本来残債とは支払うことが原則であることを忘れないでください。

残債を踏み倒すような行為は道義的に間違っている上、支払いを無断で怠っていると給与の差し押さえを強制執行されたり、勤務先に残債を滞納している状況が知られてしまったりと、悲惨な状況になってしまう可能性もあります。

任意売却をして再出発した後、残債が新しい生活の負担になる事態が起こるかもしれませんが、抱え込まずに専門家へ相談することで道は開けます。

繰り返しになりますが、任意売却では真摯な態度で臨むことで月々の返済額の融通・その他の条件の交渉もできることを忘れないでください。

残債の支払い金額例

任意売却後の残債は、多くのケースで現実的に返済が可能な範囲で月々の返済額が決定されます。
下記、月額の残債支払い金額例です。
例では概況と支払い金額例だけを記載していますが、実際には、残債の月額支払い金額はさまざまな要因から決定されています。
具体的な事例をお知りになりたいという場合にはお問い合わせください。

任意売却した後の残債支払い例:
愛知県 40代男性 無職

勤務先の倒産により職を失う。
40代半ばという年齢から次の職場が見つからず、任意売却を決断。
任意売却後は、ご自身のアルバイトと奥様のパート、お子様のアルバイトで生活をやりくりする。

  • 債権者:メガバンク
  • 残債:800万円(遅延損害金含む)
  • 家族構成:3人(奥様と未成年のお子様)
収入 20万円/月
家賃 5万円/月
残債支払額 2,000円/月

任意売却した後の残債支払い例:
愛知県 40代男性 会社員

勤務先の業績不振によりリストラにあう。
次の就職先は見つかったものの収入は下がり、住宅ローンを払い続けていくことが難しいと任意売却を選択する。

パターン4
  • 債権者:地銀
  • 残債:400万円(遅延損害金含む)
  • 家族構成:3人(奥様と未成年のお子様)
収入 30万円/月
家賃 7万円/月
残債支払額 5,000円/月

残債対応の選択肢

ここまで、任意売却後の残債について月々の金額を小さくして返済する方法もある事を紹介してきました。
残債の対応には、この他に債務整理という選択肢もあります。
残債の分割返済が厳しい場合の個人再生・自己破産の概要をご案内します。

残債の分割返済が厳しい場合の
残債対応の選択肢1:個人再生

個人再生を利用することで、住宅ローンの残債以外の債務も含め、5分の1から10分の1まで債務を圧縮できます。
官報に掲載され、また、保証人に迷惑がかかります。
※個人再生は「継続的で安定した収入があること」など要件があるため詳しくは専門家との個別の相談が有効です。

残債の分割返済が厳しい場合の
残債対応の選択肢2:自己破産

自己破産をすると、住宅ローンの残債を含め全ての債務について法的に支払い義務がなくなります。
官報へ掲載され、99万円以上の資産は管財人に引き揚げられ、また、保証人に迷惑がかかります。

※個人再生には「継続的で安定した収入があること」などの要件があり、また、個人再生・自己破産ともに裁判所の手続きは非常に煩雑なため弁護士に依頼することが一般的です。
名古屋住宅ローン相談室では、状況を整理して協力している弁護士事務所をご紹介します。

任意売却後の残債についてよくあるご質問

任意売却後の残債:
少額の返済ではいつまでも返せないかもしれません…大丈夫ですか?

任意売却の残債返却はいつまで?

任意売却で残った残債は、何百万円、何千万円という大きな額になることが珍しくありません。
その金額を、毎月5,000円〜3万円程度で返済していても終わりが見えず、その支払いをこれからもずっと続けられるのかとご相談をいただくことがあります。

残債の支払いは、債務者の収入状況によって変わります。

民間金融機関以外、住宅金融支援機構や日本政策金融公庫などの場合では、これまでのところ、多くのケースで少額の返済が続いています。
任意売却後も定期的に状況確認のヒアリングがあり、生活状況によっては返済ペースのアップ、または、残債の一括返済を求められることがあります。

元の借入が民間企業の場合は、サービサーと呼ばれる債権回収会社との交渉になる場合があります。
債権回収会社という名称は恐ろしく感じられる方もいらっしゃいますが、サービサーは法務大臣の許可を得た一定の要件を満たした法人が活動しているので、ビクビクしなくても大丈夫です。
サービサーとの交渉には誠実さと忍耐強さが重要ですから、不安な場合には専門家に相談しながら進められるといいかと思います。

任意売却後の残債:
債権者との交渉をお願いできますか?

任意売却と残債の交渉は?

私たちがご相談者様に代わりに交渉を行うことは、出来ません。
法的に、一般企業(又は個人)が交渉するのは非弁行為になり違法となるからです。
ご相談者様に代わり交渉できるのは、弁護士のみとなります。
名古屋住宅ローン相談室を含め、任意売却を扱う業者は残債の支払い方法やその他任意売却の処理過程全般で、アドバイス致します。
名古屋住宅ローン相談室では、お話を伺う中で必要だと判断した場合、ご相談者様のご状況・ご意志を取りまとめ、協力している弁護士を紹介します。

任意売却を取り扱うことを謳っている業者が増えてきましたが、 任意売却の相談をする場合には、弊社に限らず、任意売却の経験が豊富な業者を選択するようにしてください。

任意売却は、残債の交渉を含む処理過程全体で経験と知識が求められる取引です。
不動産会社が通常業務で扱う法律以外に、任意売却は弁護士法や債権管理回収業に関する特別措置法など幅広い法律知識が必要であり、士業の専門家との協力体制が整っていることや、経験から学んだ絶妙な交渉術が重要になります。
インターネット上では任意売却や残債の整理についてさまざまな情報が出回っていますが、正しいとは言えない情報もあります。
真摯に向き合える業者かどうか、任意売却の取扱実績や他の専門家との協力体制を基準に、よく見極めて依頼するかどうかを決定してください。

任意売却後の残債に関係するトラブル

離婚時の任意売却と残債

離婚を機に任意売却を検討される方は少なくありません。
住宅ローンが売却額を上回っている場合、つまり残債の残る場合が問題です。

例えば、離婚を機に任意売却する際に残債が残ることが判明したとします。
旦那様の名義での住宅ローンだとしても、奥様が連帯保証人になっているケースが多々あります。
万が一、任意売却後に旦那様が自己破産した場合、奥様の元へ一括返済の請求が来ることになります。
任意売却後の残債は、経済状況に応じて相応のペースで返済することが求められますが、状況に応じて残債を分割返済する交渉も可能です。
残債返済義務のある相手の方が自己破産をしないか心配な方は事前にご相談ください。

任意売却後の残債に不安を感じたら:まとめ

任意売却をした後の残債について、概要や対応策をまとめました。
概論があるとはいえ、実際の任意売却、実際の残債整理では、それぞれのご相談者様ごとにご不安ごとや課題があり、個別に1つひとつ対策をとっていくことが求められます。
文中何度か書きましたが、任意売却、残債整理の交渉には誠実さと忍耐強さが重要です。
逆にいえば、誠実に向き合うことで状況を良い方向へ持っていくことも可能ということです。
早いタイミングで交渉段階に入ることが可能性を広げるため、住宅ローンでお悩みの場合にはできるだけ早く専門家に相談してください。