自宅に住み続けたい方の選択肢
親族間売買・リースバックの再まとめ

親族間売買とリースバック

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、住宅ローンの支払いが困難になったご相談者様からのお問い合わせが増えています。
いただくお問い合わせの中でも、親族間売買リースバックについては特にご質問が多いため、まとめました。親族間売買やリースバックについてはこのサイト内の他のページでも取り上げていますが、改めて、メリット・デメリット・注意すべき点をご説明します。

親族間売買やリースバックが適用できるケースやできないケース、また、親族間売買やリースバックが解決策になるケースやならないケースなど、実際のところは、ご相談者様のご状況やご希望によって異なります。
webサイトをご参照いただきながらも具体的に動かれる場合には直接専門家へご相談ください。

名古屋を中心に近隣の県では名古屋住宅ローン相談室でもご対応させていただけます。いつでもお電話ください。

親族間売買やリースバックは、難易度の高い取引です。
住宅ローンのweb上の事前査定など、ご自身で動かれた結果が後になって事態を悪くしてしまうこともありますので、親族間売買やリースバックについてはまずは信頼できる不動産会社さんに直接ご相談されてください。

自宅に住み続けたい方の選択肢
親族間売買とリースバック:
「親族間売買」について

親族間売買について

親族間売買とは

親族間売買とは文字通り、親族間で不動産を売買する不動産契約です。親子間・夫婦間・兄弟間・その他の身内間での不動産売買を親族間売買ということが多いです。

その家に住み続けたいけれど、住宅ローンを払い続けられるお金がなくなってしまった、といった場合などに、親族間で不動産の売買取引をして事態の改善を図る時に選択されます。

例えば弊社で成功させた親族間売買では、
■ ご両親名義のご自宅の住宅ローンについて、お父様の病気・リストラが原因で突然払えなくなってしまい、同居されている御子息が親族間売買で取得したケース
■ 退職金が予定よりも大幅に減ってしまい老後に払いきれない住宅ローンが残ってしまったご両親に対して、離れて住まわれる娘様が親族間売買でご自宅を取得し、家賃を受け取っているケース
などがあります。

親族間売買のメリット

親族間売買のメリットは、
・住んでいる家から引っ越さずに事態を収束できること
・売買契約されたことを外部に知られにくいこと
・親族間のやり取りであることから、買い取った後の家賃等話し合いがしやすいこと
などが挙げられます。

親族間売買のデメリット

親族間売買のデメリットは、ハードルが高いことです。
親族間売買は、全ての人が成功できる売買契約ではありません。大きなハードルの1つに、住宅ローンが組みにくいという問題があります。
もし仮に、ご親族の手元に現金がたくさんあり、現金一括購入で該当する不動産を購入できるのであればあまり問題はありませんが、そうしたご親族のいるケースは稀かと思います。
多くの場合は、親族間売買をするために、購入するご親族の方も住宅ローンを組む必要が出てきます。
そうなると、親族間売買のために住宅ローンを利用できる金融機関を探さなければいけなくなりますが、ここに、非常に高いハードルがあるのです。

親族間売買のデメリット:
親族間売買で住宅ローンを組むハードルについて

親族間売買で住宅ローンを組見たいと考えてもハードルが高いとご説明しました。
実際、とりあえず金融機関へ相談しようと支店窓口に出向いても、親族間売買では、「その取引はうちではお金を貸し出せません」とほとんど相談に乗ってもらえません。

なぜなのか。

親族間売買に対して金融期間へ相談するハードルの高さには、金融機関の考え方として大きく3つの懸念点があるからです。
・親族間売買への金融機関の懸念点1つ目は、
「なぜ相続や贈与ではなく売買するのか」
・親族間売買への金融機関の懸念点2つ目は、
「売買に見せかけ、住宅ローンとして借りたお金を他の用途に使うのではないのか」
・親族間売買への金融機関の嫌煙点3つ目は、
「市場価格と乖離した価格で売買されるのではないか」

大きく分けると上記3つの懸念点から、ご相談者様が直接支店窓口へ相談に行っても、なかなか具体的な話まで相談することが難しいという現実があります。

親族間売買の経験がある不動産会社であれば、都市銀行、ネット銀行、信金など、ご相談者様に合わせて一番住宅ローンの利用できる可能性の高い銀行の紹介を受けることができるはずです。
親族間売買で住宅ローンの借入を検討される場合には、親族間売買の取引に実績のある不動産会社さんへまずはご相談されてください。

親族間売買の注意点

親族間売買は身内同士の取引であるため、仲介会社を通さずに自分たちで契約をまとめたい、と考えられる方もいらっしゃいます。
ご自身で売買契約を成立させることは可能ですが、注意点もあるためご参照ください。

親族間売買の注意点1:
住宅ローンの借入が困難、ネットの事前審査は要注意!

先ほどと同じ話になりますが、ご自身で親族間売買のための住宅ローンが組める金融機関を見つけ出そうとするのは、非常に大変です。
また、特に注意していただきたいのがネット上で簡易的に活用できる事前審査です。
非常に簡易的にできるため軽い気持ちで申し込んでしまったとしても、ネットの事前審査で万が一断られてしまうと、6ヶ月間個人情報が残ってしまいます。1度でも断られてしまうと、その後ご相談に来ていただいても挽回は難しくなってしまうため、注意してください。

親族間売買の注意点2:
適正価格の判別が困難

不動産にはそれぞれ適正価格があります。
親族間売買の場合、この適正価格に沿っているかどうかを非常に厳しく見られてしまいます。仮に3000万円が適正価格の不動産を2000万円で親族間売買した場合、1000万円には贈与税や所得税が課せられる可能性もあります。

第三者の意見として公に主張できる適正価格を出せるかどうかも、親族間売買の注意点の1つです。
ご不安を感じられた場合には、親族間売買の経験がある不動産会社さんに相談された方が得策です。

親族間売買のメリット・デメリット・注意点

親族間売買のメリットは、
住宅ローンの支払いが難しい、もしくは、お金が必要となった場合に、住宅を売却して問題を解決した上で住み続けられる点です。また、親族間の契約のため、売買契約の後の賃貸契約(もしくは使用貸借)について話し合いがしやすいという点もメリットとして挙げられますが、このメリットに対しては、親族間であるため話が拗れてしまうと客観的な判断ができにくいという懸念点もあるため、はじめの段階で公正な契約書面を作成しておくことが得策です。

親族間売買のデメリットは、
住宅ローンを利用しようとしたらハードルが非常に高い点です。現金一括購入かつ適正価格で購入できる場合には大きな問題はありません。

親族間売買の注意点には、
親族間のやり取りだからとご自身で契約を結ぼうとしても、住宅ローンの借入先を見つけることが困難であったり、適正価格を出すことが難しいという点が挙げられます。特に借入については、ネットの簡易的な事前審査を利用すると、だめだった場合に6ヶ月間は個人情報が残ってしまい、その後不動産会社さん位相談しても大きな弊害となってしまう恐れもあるため、注意が必要です。

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親族間売買とリースバック:
「リースバック」について

リースバックについて

リースバックとは

リースバックは、投資家に住宅を売却し、その後、投資家に家賃を払いながら元の家に住み続けるという契約方法です。
親族間売買と同様、リースバックの場合も、不動産の所有者は元の売主さんから移ります。

リースバックついて、名古屋住宅ローン相談室でも下記のようなご相談をいただき、解決した事例があります。
■ 「両親から連絡があり自宅の住宅ローン支払いが厳しくなっているそうで、リスケをしても厳しいとのこと。両親のために、また、いずれは実家に戻ることも考えているので私の将来のために、なんとか買い戻しができるリースバックで計画を立てられないか」
■ 「事業をはじめて軌道に乗りはじめたところで税務署からの追徴課税が来て、まとまったお金が必要になってしまった。買い戻しを視野に入れた短期的なリースバックで家族に迷惑をかけずに解決できないか」

リースバックのメリット

リースバックのメリットは、住宅ローンが一時的に払えない、もしくは一時的にお金が必要になった時に、ご自宅に住み続けながら問題解決ができる点です。
■ 住宅ローンの支払いが残りわずかなところで、急に家計が厳しくなってしまった。持ち直せる計画はあるのに数年間がしのげない。家族に迷惑をかけるような引っ越しをすることなく事態を乗り切りたい。
という場合や、
■ 住宅ローンは完済しているけれど、新たにまとまったお金が必要になった。自宅の売却は仕方ないけれどこの後も住み続けたい。
といった場合などに、リースバックは有効な手段です。

リースバックのデメリット

リースバックのデメリットは、売却価格が市場価格よりも安くなる点、また、家賃として支払う賃料が相場よりも高くなる点、また、買い戻す時には売却した価格よりも高値で買い取る必要がある点です。

投資家は利回りを考えて融資をするため、買った金額に対する利回り計算に基づく賃料の設定、家賃の支払いが正常に続かなかった場合に売却する可能性を考えた買取価格の設定をします。

どうしてもご自宅に住み続けたい、買い戻す予定が立てられる、という場合でリースバックのデメリットも受け入れることができるのかどうか、よく検討する必要があります。

リースバックの注意点

リースバックの注意点はリースバックのデメリットとつながっています。
リースバックは市場価格よりも安く売却し、賃料を比較的高値で払い続けなくてはならず、買い戻す時には売却価格よりも高い金額を支払う必要があります。

"自宅から引っ越したくない"
という感情が先走った結果リースバックを選択してしまうと、仮にリースバックが成功したとしても、家賃を払い続けられなくなってしまうかもしれません。
特に、住宅ローンが残っている状態でのリースバックには注意が必要です。
そもそも買い手となる投資家を見つけ出すこともハードルが高いですが、仮に見つけられてリースバックが成功したとしても、住宅ローン残債と家賃を払い続けながら生活を続けられるのか、冷静に判断する必要があります。

リースバックのメリット・デメリット・注意点

リースバックのメリットは、
ご自宅に住み続けながらまとまったお金を用意できる点です。リースバックしたことを外部に知られる心配もほとんどありません。

リースバックのデメリットは、
相場よりも安値で売却し、近隣相場よりも高めの家賃を支払い、かつ、買い戻す時には売却価格よりも高値で買い取る必要がある点です。デメリットを考慮した上で、リースバックをどのように活用していきたいのか、よく検討する必要があります。

リースバックの注意点は、
リースバックのデメリットにつながりますが、リースバック後の生活・家計について計画が立てられているかどうかです。特に住宅ローンがたくさん残っている状態でのリースバックは、住宅ローン残債と家賃の支払いとで、再出発した生活・家計が再度破綻してしまうことにもなりかねないため冷静な判断が重要です。

親族間売買とリースバック:総括

親族間売買とリースバックについて、それぞれのメリット・デメリット・注意点をまとめました。
■ 『住宅ローンの支払いが難しくなった』or『突然まとまったお金が必要になった』
■ 『それでも今の自宅に住み続けたい』
という時、親族間売買やリースバックは有効な手段です。
名古屋住宅ローン相談室でも、親族間売買やリースバック(その後の買い戻しも)を通して再出発のお手伝いをさせていただいております。

ただ、それぞれにメリット・デメリットがあると理解した上で実行に移さなくてはいけません。
特にリースバックについては、家賃の支払い計画や、買い戻しの段取りが、現実的に運用できるものなのかどうかを冷静に判断することが絶対に必要です。

渦中にいるご相談者様にとっては、お一人で冷静に判断することが難しいことも多いかと思います。
ご相談は無料です。いつでもご連絡ください。