任意売却を成功させる方法

任意売却成功の方法

「任意売却は100%成功する売却手段ではありません。
しかし、初動や任意売却を依頼する不動産会社や担当者の選び方次第で、成功の確率は上がります。

このページでは、任意売却を成功させる方法というテーマで、
■ 任意売却の情報をネット検索するときの方法
■ 任意売却の依頼先を選ぶ方法
■ 任意売却の検討をはじめたときに銀行の担当者と話す方法
の3つの方法をご紹介します。

任意売却を検討されている方、また、今は任意売却を考えていないけれど住宅ローンの支払いが厳しいため予備知識をつけておきたい方は、ぜひご参照下さい。

任意売却は特殊な不動産売却手段です。
特殊な分、複雑でもあるため、情報の整理が重要になります。

任意売却を成功させる方法:その1
任意売却情報のネット検索について

任意売却成功の方法_ネット検索について

『任意売却』『住宅ローンが払えない』『競売を避けたい』といったキーワードでネット検索すると、たくさんのページが出てきます。
個人・会社・組織などいろいろな発信元が、いろいろな情報を提供しているので、どのページをどんなふうに読み進めていったらいいのか迷ってしまうのではないでしょうか。

ここではざっくりと、ネット検索の方法や注意点をご紹介します。

任意売却情報のネット検索方法:
不動産免許を持っているかどうかを確認する

任意売却に関する情報の検索結果を見る方法の1番のキモは、不動産免許を持っている事業体が発信しているか否かの見極めです。

検索結果に出てくるウェブサイトは、不動産免許を持っている事業体が発信しているものと、不動産免許を持っていない個人や団体が発信しているものがあります。

不動産免許を持っている我々のような不動産会社が運営するサイトは、公正取引協議会という機関の監視下に置かれるので誇大な表現、断定的な言い回し、といった内容は書けません。
しかし不動産免許を持っていない個人や団体が運営するサイトでは、規制の遵守がゆるいもしくは逸脱されているケースもあります。もちろん全てのサイトを一括りに断定はできませんが、傾向としてはそうです。

ここで何を伝えたいかというと、不動産免許を持っていない運営者のサイト情報を鵜呑みにしてしまうとリスクがあるということです。

例えば不動産免許を持っていない個人の運営者の方には、アフィリエイターという方がいます。アフィリエイターさんは、ネット上である特定のサイトに人を流して報酬を得るという方法のビジネスをしています。最近は、任意売却に絡んだ検索では、一括査定サイトへ流していることが多いです。そのアフィリエイターさんのサイトを通して一括査定サイトに行った人、もしくは、一括査定を申し込んだ人1人に対していくら、という報酬を得ています。

アフィリエイターさんの目的は、特定のサイトに誘導することですから、目を引き表現や不安を煽るようなキャッチコピーを巧みに使っていたり、また、私たち不動産の専門家から見たらちょっと事実とは異なるような内容も、理路整然と書いてあったりします。
注意してください。

補足:不動産免許を持っていない個人のサイトに関する注意点

不動産免許を持たずに任意売却に関する情報発信をしている個人の方の多くは、ネット上で特定のサイトに誘導することでフィーをもらうという方法のビジネスをしているアフィリエイターと呼ばれる方々だとご紹介しました。

今、アフィリエイターさんが任意売却を検討している方々をネット上で集めて一番誘導しているサイトは、一括査定サイトであることもお伝えしました。

アフィリエイターさんは、例えばこんな方法で任意売却を検討されている方を一括査定サイトに誘導します。

『住宅ローンが払えない場合、こういう方法であなたの問題は解決できますよ。この方法を取るために何をしたらいいかというと、まずは、一括査定からです。一括査定はこちらのサイトでどなたでも手軽に実施できます』

とてもわかりやすい内容なのですが、アフィリエイターさんの読者の問題を解決することではなく、一括査定サイトに誘導することですね。ですから、書いてあることそのままを鵜呑みにするのは用心してください。

結論から申し上げると、任意売却という特殊な売却方法を選択する場合、一括査定サイトはほとんど役に立ちません。また、通常の売却であったとしても、一括査定サイトの情報だけを元に財産分与などを決めてしまうと、後々のトラブルを招いてしまう危険性も高いです。
詳しくはこちらのページをご参照ください。
>>不動産の査定について

補足:不動産免許を持っていない"〜協会"のサイトに関する注意点

任意売却で検索すると、ほとんどのページの上位に、"〜協会"という団体が運営するサイトが出てくるかと思います。情報量が豊富ではあるのですが、こうしたサイトを運営している団体自体は不動産免許を持っていません。

これらの団体の運営は、基本的には、不動産屋さんを会員とした会員制で運営し、任意売却をしたい方からのお問い合わせを、会員の不動産屋さんに紹介するという方法で成り立っています。

サイトの内容を信頼して問い合わせをしたとしても、担当してくれる不動産会社は全く別物というわけです。もちろん不動産会社のスキルもまちまちでしょう。そのことを理解して、はじめから担当者がわかる不動産会社に問い合わせをするか、協会を経て不動産会社を紹介してもらうか、どちらの方がご自身に合っているかをご判断ください。

※名古屋住宅ローン相談室は、名古屋市にある不動産会社『エステートプランニング』が監修するサイトです。

任意売却を成功させる方法:その2
任意売却の依頼先の選び方について

任意売却成功の方法_営業担当について

任意売却を成功させる方法として、どこに依頼をするかは重要なポイントです。
不動産会社自体の選び方については、下記のページをご参照下さい。
>>任意売却業者の選び方

ここでは、『良い担当者』『スキルの高い担当者』を見分ける方法についてご紹介します。

はじめに、良い担当者というのは、売るスキルの高い担当者という意味ではありません。特殊な売却手段である任意売却を扱うに当たって、不動産の取引に関するしっかりとしたスキルがあり、間違いのない不動産取引ができるスキルのある担当者のことを指していると思ってください。

任意売却で良い担当者を見分ける方法:
普段のメールのやりとりが簡潔で明瞭かどうか

任意売却を依頼する担当者の技術とは、実は、契約書の文章を作る能力とも言えます。
意外かもしれませんし、文章なんて大したことない、と思われるかもしれませんが、契約書の出来が、任意売却を成功させられるか否かに大きく関係してくるのです。

不動産の売買は契約書を交わすことで成立します。私たち宅建業に携わる者の間では業界団体が整備した基本的な契約書のフォーマットを使用しますが、それだけで済むというケースは、ほとんどありません。
特に、特殊な売却方法である任意売却の場合には、さまざまな状況に備えた特約が非常に重要な役割を担います。
特約の内容についてはさまざまですが、例えば、差し押さえが途中でついてしまったらどうすか、といったような内容を盛り込んでいきます。

この特約の内容によって、トラブルが起きる可能性が上がったり下がったり、また、トラブルが発生したとしてもリスクヘッジができたりできなかったり、と、任意売却成功の可否が変わってくるのです。

契約書を書く上では、経験値と表現能力の2つの側面が関わってきます。
経験値は、担当者本人だけではなく、属する不動産会社全体のノウハウの蓄積量とも言えます。トラブルや事故の経験は会社全体でノウハウとして蓄積し、共有しているものだからです。
一方で表現能力については、本人次第です。契約書は、要点を抑え、簡潔明瞭かつ筋の通った内容である必要があります。この部分ができるかどうかは契約書を作成する担当者の力量に依る部分です。

ではどうやって担当者の表現能力を判断するかということになりますが、判断する方法は、普段のメールのやり取りを注視することです。

正式に任意売却を依頼する前から、担当者とはメールのやり取りを何度も行うかと思います。
その時のメールが、わかりやすく書かれているかどうかを気にしてください。

任意売却を成功させる方法:その3
銀行担当者との話し合いについて

任意売却成功の方法_銀行との話について

「銀行の担当者さんと任意売却の相談をしています」
とおっしゃる方がいらっしゃいますが、これは、正確な状況認識ではない可能性があります。

というのは、銀行の担当者さんは任意売却の相談にのることはできないからです。
ほとんどの銀行は保証会社をつけていて(※)、基本的には、負債が残るような売却方法である任意売却を承認することはできません。
(※)フラット35などを扱う住宅金融支援機構には保証会社がありません。

任意売却について交渉ができる相手は、保証会社です。

そのため、「銀行の担当者さんと任意売却の相談をしています」と、ご相談者様が認識している場合でも、実際には、払えないというから返済が止まってしまっているだけ、住宅ローンの延滞が進んでいるだけ、という状態であることがほとんどです。

銀行の担当者さんと任意売却の相談ができている、と誤解をしてしまうと、必要な行動をしていなくても安心してしまう、など、任意売却の成功が遠のく事態を招いてしまいます。

任意売却にはタイムリミットがあり、できるだけ早い段階から準備していくことが成功の可能性を高めますので、銀行の担当者さんと話がついている、と誤解せず、状況を正しく判断して任意売却の専門家と行動を進めるようにしてください。

補足:銀行の担当者と話し合えることは?

任意売却については、銀行の担当者と話し合うことはできないとご説明しました。 しかし、銀行の担当者と話し合うべき状況もあります。
住宅ローンのリスケを相談する場合です。

住宅ローンのリスケは、特別な状況である一定期間だけ住宅ローンが払えないけれどここを乗り越えればまた返済を再開できる、という方に有効な方法です。
詳しくは下記ページにも記載しましたが、リスケという方法で、一定期間利息だけの支払いにしたり、返済期間を延長することで月々の支払い額を減らしたりする交渉ができる可能性があります。
>>住宅ローンのリスケとは

任意売却を成功させる方法として、ネット検索の方法、営業担当を見極める方法、銀行担当者の話を認識する方法をご説明しました。

繰り返しになりますが、任意売却は100%成功するわけではありませんが、初動や依頼する不動産会社・担当者によって、成功の確率をあげることができます。ネット検索から得る情報や、依頼先選び、状況の正しい認識に注意を向け、任意売却を成功させてください。

任意売却を成功させる方法として、ネット検索の方法、営業担当を見極める方法、銀行担当者の話を認識する方法をご説明しました。

繰り返しになりますが、任意売却は100%成功するわけではありませんが、初動や依頼する不動産会社・担当者によって、成功の確率をあげることができます。ネット検索から得る情報や、依頼先選び、状況の正しい認識に注意を向け、任意売却を成功させてください。

また、正しい情報や信頼できる不動産会社を見つけることができれば、任意売却以外にも現状を打破する方法が見つかる可能性もあります。ページ内でご紹介したリスケや借り換え、投資用不動産であれば運用の見直しや事業再編といった方法もあります。

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