収入減少に伴う任意売却の事例
任意売却のポイント

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住宅ローン返済期間中に、想定外の収入減少で住宅ローンの支払いが厳しくなることは珍しくありません。一時的な収入減少であれば、金融機関にリスケ(リスケジュール)を相談することも方法の1つですが、収入減少が一過性のものでないのであれば、不動産の売却も視野に入れていく必要があります。

能動的に売却・もしくは任意売却をしなければ、住宅ローンの滞納が続いて競売手続きへと進んでしまいます。収入減少で住宅ローンの支払いが難しくなったら、ギリギリまで耐えるのではなく、できるだけ早い段階から売却を含む広い選択肢をご検討ください。
早ければ早いほど取れる選択肢も残されているので、リースバックや親子間売買でご自宅に住み続けることも、またもしかしたら、低金利な住宅ローンへの借り換えで住宅ローン返済を続けることができる道も残されているかもしれません。

このページでは、任意売却で問題を解決されたご相談者様の事例を集めています。任意売却についての理解を深めるためにご参照ください。

収入減少に伴う任意売却の事例

離婚後の住宅ローントラブル事例

収入減少に伴う任意売却:事例1
離婚後も住み続けていた住宅の任意売却

元奥様との共有名義の不動産売却

ご相談いただいたI様は、離婚後、元奥様が出て行かれ、お1人で元のご自宅に住まわれていました。住宅ローンの返済もI様ご自身が続けられていましたが、会社の業績悪化により収入が減少したことで生活を見直す必要に迫られたとのこと。住宅ローンを払い続けることができなくなるのは目に見えているとお考えになり、任意売却を決意されたそうです。

名古屋住宅ローン相談室へご相談にいらした際には、まだ住宅ローンの滞納はない状態で、比較的早い段階から動かれているため大きな問題はないはずでした。しかし調べたところ、ご自宅は前の奥様との共有名義になっていることがわかりました。
ご自宅購入時のことは詳しく覚えていらっしゃらなかったとのことで、I様も驚かれていました。

問題は、I様が離婚してから元奥様との連絡を絶っていた点です。現在は元奥様との連絡を取りようがないとのことでだったため、弊社からお知り合いやご親族様へ連絡を取らせていただき、元奥様へ任意売却協力のご依頼をさせていただきました。

ご相談時の状況

ご相談者様(男性)

会社の業績が悪化して収入減少が今後も続くので、住宅ローンの支払いを続けられません。「せっかく購入したのに…」という想いはありますが、私1人で住んでいる家ですし、賃貸に引っ越す他に道がないと思います。

自宅が元妻との共有名義になっていたとは、驚きました。
確かにそのように契約した記憶もあるような気がします。当時は離婚するとは想像もしていなかったので、共有名義にしたんだと思います。

名古屋住宅ローン相談室代表

I様と元奥様との共通のお知り合いやご親族様を経由して、元奥様へコンタクトを取ることができました。元奥様は任意売却に協力していただけるとのことで、まずは最初の問題はクリアしました。

ご相談者様(男性1)

元妻には合わせる顔もありません。

名古屋住宅ローン相談室代表

離婚後に住宅ローン問題が発生したとき、顔を合わせたくないという元ご夫婦様は少なくありません。私たちが間に入り、直接対面することが無いよう手続きを進めさせていただきます。

【事例1の結果】

元奥様のご協力をいただけたおかげで任意売却の準備を進めることができました。
債権者と売却価格の調整をしながら販売活動を行ったところ、I様がきれいにご自宅を使われていたこともあり、比較的スムーズに買主が見つかり任意売却が成立しました。

ご相談者様(男性1)

元妻との共有名義になっていると知ったときは、任意売却ができないかもしれないとも思いました。任意売却ができたのは、元妻と連絡を取るために髙瀬さんがほうぼうにあたってくれたからです。契約などで元妻と顔を合わせなくてもいいよう調整してもらえたのも、本当にありがたかったです。

これからは収入にあった生活をしながら新しい暮らしを整えていきます。

【任意売却のポイント】

共有名義の不動産は、共有者全員の承諾がなければ任意売却できません。
ただ、離婚するときに不動産の名義まで話し合えるご夫婦は多くないのも現状です。
離婚後の任意売却では共有名義の不動産の任意売却をしたいけれど元配偶者と連絡が取れない、というトラブルがよく起こります。

住宅ローンの残っているご自宅を持ったまま離婚するリスクは他のページでも度々お伝えしていますが、離婚時に気づかなくても、気づいたらできるだけ早い段階で共有状態を解消することが得策です。

収入減少に伴う任意売却:事例2
市場価格とずれていたため売却に1年以上かかった任意売却

市場価格と住宅ローン残債の考え方

名古屋住宅ローン相談室へご来社いただいたとき、Y様はひどく消耗されていました。
想定外の収入減少からご自宅を売却したいと販売活動しているものの、いっこうに買い手がつかないとのことでした。

住宅ローンの滞納はしていませんでしたが、ギリギリの状態が限界に来ているという切羽詰まった状態で、何ヶ月も販売活動しているご自宅が売れずに疲れているご様子でした。

状況をお話しいただいてすぐにわかったことは、Y様のご自宅の販売活動をしていた不動産会社が、相場とはかけ離れた価格で売りに出しているため買い手がつかない、という事実です。

ご相談時の状況

ご相談者様(男性2)

会社の業績が悪化したため昇級どころか残業代のカットなど収入減少が続いています。住宅ローンを組んだときには想定していなかった事態に、家族とも話し合い、自宅を手放す決心をしました。

売りに出したらすぐに買い手がつくものと思っていたのに、1年近く経っても不動産会社からはなんの連絡もありません。住宅ローンの支払いはいよいよ厳しくなってきています。どうしたらいいでしょうか。

名古屋住宅ローン相談室代表

Y様の住宅ローン残債が1,500万円であることから、現在販売活動を依頼している不動産会社は1,500万円で売りに出しています。でも、弊社の査定ではY様のご自宅の市場相場は1,000万円が妥当です。

最近は購入者の皆さんも勉強されているので、相場とかけ離れた価格では買い手がつかないのは当然です。
通常の売却ではいつまで経っても買い手はつかないままだと予想されるので、この場合は、任意売却ができるよう交渉を進める必要があります。

【事例2の結果】

債権者から任意売却を認めてもらえ、市場価格に沿った金額で売りに出したところ、無事に買い手が見つかりました。
住宅ローンの残債は残ってしまいましたがY様が新しい生活をスタートされても支払える範囲の分割払いが了承されたので、Y様から、収入にあった支出になるよう家計を立て直すことができた、とコメントをいただいています。

ご相談者様(男性2)

いつまで経っても買い手がつかず、不動産会社からの連絡を毎日毎日待っていた時期は本当に辛かったです。いつまで住宅ローンの支払いを続けられるか毎日頭を抱えていました。
任意売却で自宅を手放すことには、最初は、残債が残る点で不安もありましたが、今になってみるともっと早くに任意売却という方法を知っていたらもっとお金が残せたかもしれないな、とも思います。

【任意売却のポイント】

任意売却は特殊な不動産売買であるため、通常の不動産会社では取り扱わないケースも少なくありません。そのため、任意売却を避けるために無理やり住宅ローン残債に合わせた売却価格を設定して販売活動を進めている案件もあるようです。

しかし、インターネットが発達した現代では買い手も様々に勉強されているため、市場相場とかけ離れた売却価格では誰も購入してくれません。

不動産の査定や不動産の売却について「おかしいな」と感じることがあったら、複数の不動産会社さんから情報を集めるようにしてください。
任意売却が必要な場合は、任意売却の実績が多い不動産会社を選ぶことが任意売却成功の近道になります。

参考ページ>>任意売却業者の選び方

収入減少に伴う任意売却:事例3
収入の減少で住宅ローン以外の負債も抱えた任意売却

任意売却+任意整理

会社の業績が悪くボーナスがカットされることが数年続いた後、リストラにあってしまったというS様。その後転職したものの、最初の会社よりも収入が減少してしまい、生活が苦しくなってしまったとのことでした。

住宅ローンを組んだときにはボーナスや昇給を念頭に入れていたため、住宅ローンの支払いは非常に厳しくなってしまい、それどころか、借り入れをして住宅ローンを支払い、その利息を払うためにさらに借り入れをする、という悪循環で日常生活のお金も捻出できなくなってしまったという状態で弊社へ相談に来てくださいました。

ご相談時の状況

ご相談者様(男性3)

前の会社で予定していたボーナスがカットされたときは、銀行に相談してボーナス払いの額を下げて返済期間を伸ばしてもらいました。それでやっていけると思っていたんですが、想像以上に会社の業績悪化が続き、最終的にはリストラ。再就職では収入がかなり減少してしまったので、とてもじゃないですが住宅ローンの支払いを続けることはできなくなりました。

自宅を手放したくないと借り入れをして無理に支払ったことも状況を悪くしてしまい、今では借入金額が300万円近くになってしまっていて、その支払いのためにさらに生活が苦しくなっています。

また、住宅ローンの連帯保証人には妻のお父さんにたっていただいている為、お義父さんに迷惑をかけることだけは避けなければいけません。

名古屋住宅ローン相談室代表

借り入れで生活費を賄うという負のループを断ち切り、お義父様に迷惑をかけないようご自身で債務整理をするためにも、任意売却の成立が急がれる状況でした。

ただ良かった点として、S様は無理な住宅ローンの支払いで家計のバランスが崩れてしまってはいましたが、毎日真面目に働かれ、奥様とも助け合って生活されていたため、新しい生活を送るために前向きな姿勢で取り組んでいただけたことが状況を打破する大きな原動力になりました。

【事例3の結果】

S様の住宅ローン残債は2,500万円ほどありましたが、債権者と調整しながら設定した売却価格は2,000万円ほどでした。
残債については分割払いで返済していく了承を得ることができ、また、300万円近くに膨らんでいた負債についても任意整理で月々の返済額を調整できました。

ご夫婦で賃貸住宅に引っ越されてからは、無理な支払いに不安を抱えることなく安心して生活ができているとのことです。

ご相談者様(男性3)

今思えば、銀行でリスケをお願いした時から無理なのはわかっていたはずなのに、どうしてもっと早く自宅を手放さなかったのかと思います。
それでも、調整してもらえた月々の返済も含め、これからは収入の範囲内でしっかり家計のバランスを整えていこうと前向きな気持ちです。

髙瀬さんから私たち夫婦の職場から通いやすい場所に新居を紹介してもらえたのもありがたかったです。夫婦で住みやすい家だと満足しています。

【任意売却のポイント】

ボーナス払いや昇給を見込んだ住宅ローンの支払い計画は、会社の業績悪化やリストラで破綻してしまうケースが少なくないのが現状です。
ご自宅を守りたいと、なんとかその場しのぎでつないでいたら、負債が増えていたという悪循環も珍しくありませんし、体を壊してしまったらもともこもありません。
住宅ローンの支払いが厳しいと感じたら、安心して生活できることやお子様に必要なお金を使えるよう、一度、落ち着いて、売却(任意売却)についてもご検討ください。

また、名古屋住宅ローン相談室では弁護士や司法書士と連携し、住宅ローン以外の負債に悩まれている場合のサポートもいたします。住宅ローンの支払い、その他の借り入れの支払い、任意売却について、など、まとめてご相談ください。

収入の減少に伴う任意売却の事例について、『共有不動産の任意売却』『市場相場とかけ離れた売却価格で売りに出したため売却まで時間がかかった任意売却』『任意売却と任意整理を同時に行った任意売却』の3つをご紹介しました。

想定外の収入減少は、誰にでも起こり得ます。長期スパンで支払い計画を立てている住宅ローンの返済が予定通りにできなくなるケースも、珍しいことではありません。
お1人で抱え込んだり放置してしまうと事態を悪化させてしまうので、早い段階から向き合い、対応策を考えるようにしてください。
収入減少が一時的なものであれば金融機関にリスケを相談してみることも方法の1つです。
しかし収入減少が継続するようであれば、住宅を手放すことも視野に入れなければいけません。住宅ローンの残高よりも売却価格が低い場合は任意売却となりますが、任意売却にはタイムリミットがあり、必ず成功するとも限らないため、早めの行動が必要です。