任意売却の影響

任意売却の影響

任意売却をしたらどんな影響があるのか」
住宅ローンの返済が負担になり任意売却について考え始めた方からよくいただくご質問です。
任意売却の影響については、連帯保証人の存在や、住宅ローンの他に借り入れがあるかどうかなど、それぞれのご状況で任意売却後の影響も変わってくるため、簡潔にお答えすることが難しいご質問です。

このページでは、任意売却とはそもそもどのような売却なのかをご説明した後、その売却からどのような影響があるのかをまとめます。
任意売却について検討し始めた方、任意売却とはどのような売却なのかを知りたいという方に参考にしていただける内容かと思います。

任意売却に至る背景や状況がそれぞれ違うため、任意売却の影響もそれぞれです。
私たちはどのような場合でも、抱えられている問題や心配事から解放されるよう、売却をサポートさせていただきます。

任意売却とは

そもそも、任意売却とは

任意売却についての説明はこのサイト上でもいくつもご紹介しております。ここでは他のページとは少し説明の仕方を変えて、任意売却とは逆の、任意ではない売却を取り上げながらご説明します。

任意売却と任意じゃない売却の違い

任意売却は、文字通り、任意に自らの意思で売却する売却方法です。
一方で任意じゃない売却手段もあります。任意売却が何かを理解するためには、任意じゃない売却について知っていただくと理解が進むかと思います。

任意じゃない売却とは

任意売却とは逆の任意じゃない売却について。任意じゃない売却の方法は、3つあります。
行政が都市計画など公共の利益となる事業のために収容するケース、競売、公売です。

任意じゃない売却1:収容(立ち退き)

例えば「大きな道路ができますので立ち退いてください」と言われ、立ち退きを強制されることがあります。
もちろん金銭的な補償は受けられますが、売りたくなくても売らなくてはいけません。

任意じゃない売却2:競売

競売は、返済が滞ることを理由に、お金を貸している債権者が不動産を売却して換金し、回収する手段です。
住宅ローンの場合には銀行の保証会社が(フラット35などを扱う住宅金融支援機構には保証会社はありません)住宅を差し押さえ、裁判所に競売の申し立てをして裁判所が強制的に売却し、売却代金は債権者に分配されます。
競売も、所有者の意思とは関係なく手続きが進められます。

任意じゃない売却3:公売

3つ目は、公売です。公売は、未納税金がある場合に不動産を売却して売却代金から税金を回収するという手続きです。

任意売却について:
広義の任意売却とは

任意じゃない売却の逆側にあるのが、任意売却です。
自らの意思で売却する、という意味で言えば、世の中に出回っている売却物件は全て任意売却の物件となります。広義の任意売却と言っているのは、世の中に出回っている全ての売却です。

任意売却について:
不動産業界で一般的な(狭義の)任意売却とは

不動産業界で任意売却と呼ばれる売却はさらに条件があります。
不動産業界で任意売却と呼ぶ売却は、自分の意思で売却する上で、かつ、負債が払えずにこのままでは強制的に売却されてしまう可能性がある不動産の売却を指しています。
放っておくと競売もしくは公売で売却されてしまう物件を自分で売却しようとする行為について、不動産業界では、一般的に任意売却と読んでいます。

【任意売却とは】
広義の任意売却は、立ち退き・競売・公売など任意ではなく強制的に売却される手段とは逆の売却手段。自らの意思で(任意に)売却する方法を広義の任意売却といいます。
ただ、不動産業界では一般的に、任意売却とは、放っておくと強制的に売却(競売・公売)されてしまう可能性がある不動産を自らの意思で(任意に)売却することを指します。

任意売却をすることでどのような影響があるのか

任意売却の影響について

任意売却をすることでどのような影響があるかについては、何をメリットと感じ、何がデメリットになるのかについてそれぞれの方で捉え方が異なるため簡潔にお答えすることはできません。
ただ、ご説明した通り、任意売却は負債が返しきれず、このままでは任意じゃない売却(競売や公売)になってしまうという状況で不動産を売却する手段です。

そのため、任意売却の影響として、
■ 返しきれない負債に悩んでいた状況から解放される(売却しても全額返済できるとは限りません)
■ 競売や公売など任意じゃない売却よりも高値で売却できる・プライバシーが保たれる
といったメリットが考えられます。
一方で、(本当はマイホームを手放したくはなかったけれど、返済ができないから仕方なく…)といった状況も少なくないため、
■ 持ち家を手放し、賃貸(もしくはご実家)で住むことになる寂しさ
といったデメリットになる影響を感じることもあるかもしれません。
また、任意売却をする過程で住宅ローンの返済が滞るため、通称ブラックリストに載ることになります。
これも、任意売却をするデメリット側の影響の1つといえるでしょう。

【任意売却の影響(概要)】
■ 任意売却をすることで返済に困っていた負債から解放される
(全額返済ができるとは限らず、債務整理が必要になるケースもあります)
■ 競売や公売よりも高値で売却できる
■ 競売や公売と違い、ローン残債の支払い方を相談できる
■ 持ち家を手放すことへの寂しさを感じるかもしれない
■ ブラックリストに載る(個人信用情報機関に事故情報として登録される)

任意売却の影響がどのように出るのか、個々の影響に対してどのように感じるのかは、ご相談者様ごとに異なります。
その前提の中で、名古屋住宅ローン相談室では常に『任意売却後にお金の心配なく暮らせる生活の基盤づくり』を念頭に任意売却のお手伝いをさせていただきます。

その他、任意売却の影響に関するよくある誤解についてもご紹介します。

任意売却の影響についてよくある誤解:
任意売却をすれば住宅ローンの返済義務がなくなる

「売却したのに請求書が届くのですが…」というご相談をいただくことがあります。
任意売却の影響についての誤った認識で、「任意売却をしたら住宅ローンの残りを返済しなくてもいい」と考えられているケースがあります。これは誤解です。任意売却をしても、売却代金で住宅ローンが完済できなければ、住宅ローンの残債を支払っていかなくてはいけません。

住宅ローンの残債をきちんと支払わなければ、ご自宅を売却して、さらに、給料や口座が差し押さえられる事態にもなりかねないので、計画的な売却とその後の返済スケジュールの策定が重要です。

残債の支払い義務については競売についても同様です。住宅ローンの残債を支払うために、できるだけ高値で不動産を売却し、残債を圧縮することが大切になります。
参考>>売却後、さらに差し押さえ、という事態を防ぐために。

任意売却の影響についてよくある誤解:
任意売却をすると自己破産しなくてはいけない

「任意売却をすると自己破産することになる」という誤った認識を持っている方が少なくありません。任意売却の影響についての非常に多い誤解の1つです。
確かに、任意売却に至る過程で住宅ローンの他にも負債を抱えることになる方が珍しくないのは事実であるため、任意売却後に自己破産を選択されるケースもあります。
しかし、任意売却をしても自己破産していない方はたくさんいらっしゃいます。
任意売却をしたら必ずしも自己破産につながるわけではありません。

また、任意売却をしたら自己破産ができない、と誤解されている方もいらっしゃいます。そう誤解される背景にはいくつかの理由がありますが、具体的な内容については、直接専門家に相談しながらご判断ください。 参考)
>>自己破産が先か。任意売却が先か。

任意売却の影響についてよくある誤解:
連帯保証人に知られずに任意売却ができる

「任意売却をしたいけれど、連帯保証人には任意売却することを知られたくない」というご相談を度々いただきます。
お客様の中には、「任意売却は連帯保証人に知られずに売却ができる」と誤解していらっしゃるケースもあります。
結論から申し上げると、負債が残る売却の場合、連帯保証人に知られず売却することはできません。

連帯保証人に知らせず売却できるのは、
■ 負債が残らない売却(売却したお金でローンが完済できる)
の他、非常にレアなケースで
■ 連帯保証人には請求しないと金融機関が承諾した場合
■ 債務が過払いなど債務そのものがない場合
が考えられます。
後ろの2つは非常にレアなケースなため説明は割愛させていただくとして、負債が残る任意売却の場合には、連帯保証人に知らせることになると考えてください。

補足となりますが、競売の場合には、連帯保証人の承諾がなく手続きを進めることができます。
しかし、競売では任意売却よりも安く売却されてしまうことが多いため、結果的に連帯保証人への負担が大きくなってしまいます。
さらに、任意売却では売却後の残債について分割支払いの交渉機会がありますが、競売では一括支払いを命じられることがほとんどです。
一括支払いが難しい場合、結果的に、連帯保証人へ大きな迷惑をかけてしまいます。

まとめ

任意売却の影響についてまとめました。
不動産業界で任意売却と言う言葉を使うとき、一般的には、負債が払いきれずにこのままでは強制的に売却(競売・公売)されてしまうため、それを防ぐために自らの意思で売却する手段を指します。

負債が払いきれずに困難を抱えている状態での売却であるため、任意売却の影響としては、
■ 払いきれない負債から解放される(負債を返済する目処が立てられる)
というメリットが考えられます。
また、競売や公売よりも高値で売却できる可能性が高いため、
■ 残債を減らせる、もしくは、完済できる可能性が高まる
という良い影響もあります。

一方で、本当は手放したくないけれど売却するケースも多いため、
■ 持ち家を手放すという寂しさを感じる
というデメリット側の影響や、任意売却の過程で返済を滞納することから
■ ブラックリストに載る(個人信用情報機関に事故情報として登録される)
という悪い影響もあります。

抱えていらっしゃるご事情や考え方、大切にされたい事柄はお客様ごとに異なるため、任意売却の影響についても、お客様ごとに異なります。
任意売却の影響はお客様ごとに異なりますが、私たちはいつでも、お金の心配なく前向きな気持ちで再出発ができることをサポートするために任意売却のお手伝いをさせていただきます。