滞納税金を住宅の売却で解決した事例

延滞した税金を住宅売却で解決した事例

税金は非免責債権の1つで、たとえ自己破産をしても免除になりません。住宅ローンや借入金は債務整理で圧縮もしくは面積されることもありますが、滞納した税金についてそれはなく、滞納した税金の支払い義務は相続もされます。

税金の滞納額が膨れ上がる割合や、税金滞納による不動産の差し押さえと住宅ローンの抵当権との関係については他のページでもご説明しているので、そちらもご参照ください。

参考:
>>住宅ローンを滞納するリスク

税金はどこかでお金を用意して支払うしかなく、滞納したため膨れ上がった税金に頭を抱えていらっしゃる方も少なくはありません。
もしも今税金を滞納されている場合には、1人で抱え込まず専門家へご相談ください。

このページでは、滞納した税金を住宅の売却で解決した3つの事例をご紹介しています。

『滞納した税金』を『住宅の売却』で解決した事例

滞納した税金を住宅の売却で解決した事例

滞納税金を住宅の売却で解決した事例1:

住宅ローンの支払いが厳しく、税金を滞納していたM様の事例

M様は、会社の業績悪化でボーナスや残業代がカットされ、住宅ローンと固定資産税の支払いがだんだん厳しくなられたそうです。

固定資産税よりも住宅ローンを優先してギリギリ返済していたところ、市から自宅の差押え通知が届き、どうしたらいいものかと、名古屋住宅ローン相談室にご来社くださいました。

ご相談時の概要

ご相談者様(男性1)

会社の業績が悪くなり、どんどん収入が減りました。家族に迷惑をかけたくなくて住宅ローンの支払いだけは遅れてでも続けていこうと思っていたのに、固定資産税の滞納で差押えられるとは考えていませんでした。

公的機関からの徴収だからと、なぜか甘く受け止めてしまっていました。

名古屋住宅ローン相談室代表

M様の滞納している税金は60万円ほどです。この額ならば、債権者との交渉で不動産の売却代金から捻出できる可能性もあります。

まずは任意売却ができるよう手続きを進めましょう。

【サポート内容】

債権者から任意売却の承諾を得ることができ、任意売却の手続きを進めました。
任意売却の販売活動は代位弁済の後であるため、その間、M様には滞納している税金を一括で支払うことになった場合に備えて住宅ローン返済分の額を貯金していただくようお願いしました。
M様の滞納している税金の額であれば売却代金から控除してもらえるよう交渉できる可能性もありましたが、がいくらで売却できるかが分からない以上、債権者殻確約を得ることもできないため、M様には税金を一括で納付できるよう準備していただく必要がありました。

【結果】

滞納している税金の一括納付に備えてM様に住宅ローン支払い分を貯金に回していただくようお願いしましたが、結果としては、債権者に住宅の売却価格から滞納している税金の額を控除してもらえるという承認を得ることができました。
住宅の売却価格から滞納税金を返済して差押を解除し、任意売却も完了できました。

また、任意売却後の残債についてはM様の新しい生活で支払いが可能な額で分割納付が認められ、M様ご家族は収入の範囲内で安心して生活ができる家賃の賃貸住宅で、新しい生活をスタートされています。

ご相談者様(男性1)

住宅ローンの支払いが厳しくなる中で、固定資産税まではどうしても払えず、滞納してしまいました。今思うと、まちがった判断だっと反省しています。

滞納すると高額な延滞税がどんどん課されていくのも本当に心配でしたが、髙瀬さんのおかげで税金の不安なく再出発することができました。

【アドバイス】

税金は、徴収の強制力からも、滞納した際の延滞金の額からも、住宅ローンや他の借り入れよりも恐ろしいともいえる債務です。
しかし、税金を滞納するリスクを把握されていない方は少なくありません。

住宅ローンを組む際に設定する抵当権は、租税や公課よりも優先されるルールはありますが、一旦税金滞納を理由に差押えが入ると、差押えの解除は簡単ではなく、売却したくてもハードルが上がってしまいます。
また、今回は滞納している税金の額から任意売却ができましたが、滞納税金が高額になると任意売却自体ができなくなる可能性もあります。
税金の支払いが難しくなったときは、滞納する前に早めに外部へ相談されるようにしてください。

参考:
>>住宅ローンと税金(滞納税金)どちらから払う?

滞納税金を住宅の売却で解決した事例2:

想定外の追徴課税をリースバックで支払ったN様の事例

会社を独立し自営業で家族を養う決意をされたN様。
創業当初は厳しい状況だったものの徐々に事業は安定し、3年目は固定客の存在や新規大口案件の受注から、大きな黒字を出せたそうです。

ただ、ご自身で確定申告をしていたため、税務調査が入ったときに300万円を超える追徴課税が課されてしまったとのこと。
その支払いに充てるためリースバックを検討されていると、名古屋住宅ローン相談室へ相談にお越しくださいました。

ご相談時の概要

ご相談者様(男性2)

徐々に積み上げてきた成果が出始めて、ようやく続けていける目処が立ちそうだと思ったら、税務調査が入って追徴課税を言い渡されてしまいました。

手元に現金はありませんし、これまでの業績から追徴課税を払うための銀行からの融資は断られました。税金の猶予申請も検討しましたが、私の場合は延滞税も増えていくと言われ、もう、自宅を売却するしかないと思っています。
リースバックで住み続けることはできますか?

名古屋住宅ローン相談室代表

N様はご自宅の住宅ローンが完済されていらっしゃるので、リースバックのご検討は有効です。

事業の業績も安定されてきているとのことですので、買戻し契約も合わせて結びましょう。

【結果】

名古屋住宅ローン相談室でN様のご自宅を査定した後、提携している投資家を紹介させていただき、税金の額にあった金額でリースバックの契約を結びました。

売却した代金で追徴課税を払い終えたN様からは、買い戻し契約が事業継続のやる気につながっているとお話しいただいています。

ご相談者様(男性2)

最初に追徴課税額を聞いた時は家を売却して出ていくしかないと思い、家族に申し訳ない想いでいっぱいでした。
今、家族に迷惑をかけず税金を払い終えることができ、ほっとしています。

5年後に買い戻すという目標があるので仕事も頑張れます。

【アドバイス】

N様の事例は、ご自宅の状態が良かった点や、事業が軌道に乗られている段階である点などから、リースバックが非常に有効なケースでした。

またN様が追徴課税に対してすぐさま真摯に向き合われたことも、事態を早期に解決できた大きな要因となりました。

事例1でも申し上げた通り、税金は非免責債権の1つで支払いを免除されることはほぼない債務です。
突然の追徴課税に驚かれ、放置してしまう方もいらっしゃいますが、滞納してしまうとどんどん支払わなければいけない税金は増えていきます。
滞納した場合、税金は、追徴課税だけではなく、
・ 納期限から2ヶ月までは年率7.3%の延滞税
・ 2ヶ月以降は14.6%の延滞税
が加算されていきます。
想定外の税金であったとしても、納付しなければいけない税金はできるだけ早く対応することが得策です。

滞納税金を住宅の売却で解決した事例3:

公売の通知が届いた後、共有持分の奥様と連絡を取り通常の売却で滞納税金を納付できたU様

数年前に奥様と離婚され、お1人で自営業を営まれていたU様の事例です。
離婚されてから税金(住民税、所得税、固定資産税など)や国民健康保険料など租税公課の納付が滞り、延滞金が膨れ上がり総額で数百万円の支払いが必要な状態となってしまっていました。
離婚されてから税金(住民税、所得税、固定資産税など)や国民健康保険料など租税公課の納付が滞り、延滞金が膨れ上がり総額で数百万円が課税されている状態となってしまっていました。

住宅ローンの返済は問題なく残債もわずかな状態でしたが、離婚された元奥様との共有不動産であるたため売却する方法がわからず悩んでいたそうです。そこに公売の通知が届き、慌てて名古屋住宅ローン相談室へご来社くださいました。

ご相談の概要

ご相談者様(男性3)

離婚で自暴自棄になってしまい税金や保険の支払いを後回しにしていたら、滞納したことで延滞税がどんどん膨れ上がってこの状態です。
税金の滞納に延滞税がかかることを目の当たりにし、また、知り合いから税金の支払いは免責されないことも聞いて、なんとかしなくてはと我に返りました。

自宅を売却したいと思うのですが、別れた妻との共有名義になっています。妻とは連絡を取りたくないのですが、なんとかならないでしょうか。

名古屋住宅ローン相談室代表

U様が元奥様と直接対面することがないよう、連絡は全て私たちで行います。ご安心ください。
まずは公売を中断してもらえるよう役所と掛け合うこと、また、元奥様が住宅の売却に同意してくださることが先決ですので、すぐに取り掛かります。

U様のご自宅は住宅ローンの返済がほぼ終わっていらっしゃるので、通常の売却ができたら滞納している税金の多くは納付できるはずです。

【サポート内容と結果】

まず最初にしなければならなかったのが役所との交渉です。なんとか税金滞納による差押えの解除と公売の中断を了承してもらうことができたため、通常の売却ができる状態となりましたました。
次の課題は別れた奥様から売却の同意がいただけるかどうかでしたが、元旦那様の税金滞納による債務をご説明したところ、元奥様はすんなりと売却を承諾してくださったため、通常の売却での販売活動を進めることができました。

立地のいい住宅だったこともあり無事に買い手は見つかり、住宅ローンの完済と滞納した税金の納付の大部分に売却代金を充てることができました。

ご相談者様(男性3)

離婚後いろいろなことがどうでもよくなってしまい、税金や保険の支払いをないがしろにしていたらとんでもないことになってしまいました。
もしも公売になっていたら、住宅ローンや滞納した税金がどれだけ残ったかと思うと恐ろしいです。

今ではやり直す機会をもらえて良かったとも思っています。
これからはルールを守ってまっとうに暮らしていきます。

【アドバイス】

会社勤めの方と違い、自営業の方はご自分で管理して支払っていかなくてはいけない税金や保険料がいくつもあります。
繰り返しになりますが、税金は滞納してしまうと高い率で延滞税が設定されており、また、免責されることがほとんどない債務ですので、高い優先順位で支払いをされてください。

税金(延滞して課税された延滞税を含む)の支払い問題を、住宅の売却で解決された事例を3つご紹介しました。

税金の恐ろしさは、非免責債権であるためたとえ自己破産をしても免責されない点や、滞納した場合に課せられる非常に高いペナルティです。
行政からの徴収であるため甘えてしまい、住宅ローンやカードローンなど民間の借り入れを優先して返済される方も少なくありませんが、税金の支払いからは決して逃れられないと知った上でご判断ください。

名古屋住宅ローン相談室では、家計バランスや事業計画の立て直しのご相談にも対応させていただいております。
(どこに相談したらいいんだろう?)
というお悩みを抱えていらっしゃる場合も、ご相談ください。